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【知恵の森】四川大地震の発生を予言した地震予知の新理論『地震の癖─いつ、どこで起こって、どこを通るのか?』 角田史雄(著)

2011-05-28 07:34

みなさんは「太平洋プレートの沈み込みによってやがて巨大地震が起きる」と、子供のころやテレビ、学校で教えられてきませんでしたか?

太平洋プレートの沈み込みは確かにあるので、やがてその地震も起きるだろう。しかしそれは選択肢のひとつだ。ストレートだけに狙いを絞っているようなものだ。だが地球というピッチャーはカーブもスライダーも投げるのである。本当にプレートテクトニクス理論だけですむならば今回の大地震も予測されていなくてはいけない。

本書は、ひとことで言うと地震はマグマの動きによって起きる。
プレートテクトニクスでは、マグマの発生源であるマントルが対流して大陸のプレートを動かし、その歪みによって地震が起きると言った。だが、ではプレートの境目ではない場所で起きる大地震はどういう理屈かという話になる。

新技術のマントルトモグラフィというのがある。驚くべきことに人類の叡知は地球を輪切りにして核までの温度分布が把握できるようになった。そこでわかったのは「マントル対流」などはなくもっとアリの巣のように乱れ散ったマグマのありようであった。考えてみればこれが自然なのであってマントルが整然と対流をしているなどという方がおかしいのだ。
グチャグチャの地球の内部から時に熱の急上昇がある。それが「スーパープリューム」。これによって地殻が押し上げられて地震が起きる。これが、プリュームテクトニクスとはそういう理論だ。熱の上昇は一気には起きない。ある年月がかかる。ということはたとえば火山の動きから、その次はどこで地震が起きるかがある程度の予知が可能である。本書で言われる「地震の癖」とはそういうことだ。


では、「次はどこが危ないのか!?」

ものすごく簡単に言うと「マントルの内部からの熱が出口を求めて動く先」があって、それが噴火や地震を起こすわけだ。ニュルニュルと動いていくには時間がかかる。それがある時は噴火、ある時は地震を起こす。

備えておいて本書を読んでおくことは無駄にはなるまい。