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【知恵の森】信仰心のゆくへ『生駒の神々―現代都市の民俗宗教』宗教社会学の会/編

2012-09-29 17:57


“生駒の神々の全貌がここに”

生駒とは、大阪、京都、奈良にまたがる標高、数百メートル。南北35㎞、東西10㎞の山脈。日本ならどこにでもありそうなこの山が、民間信仰、宗教のメッカとして栄えた。本書は、この生駒の神々の謎を探る。

興味深いのは、本書が出版されたのは1985年。日本がバブルに踊ったさなか、巷では不動産、金融取引が盛んで物質主義のさなか、精神主義の信仰を集める生駒との対比も面白い。


寺社仏閣を含め、民間信仰やレジャーまで緻密に調査されている。古代的な容貌さえ見せる信仰の原点が、歴史の時間を遡って露頭を表す。

秋の夜長にちょうどいい、豊潤な一冊です。


◆目次

はじめに

I 山・歴史・信仰
二 生駒の宗教史
三 生駒における信仰の諸機能
II ひしめく神々――民俗宗教の諸相
一 庶民信仰のメッカ――生駒聖天
二 伝統の重さと毘沙門信仰――信貴山朝護孫子寺
三 デンボの神様――石切神社
四 生駒の修験道
五 中小の神々
六 生駒の民間医療――断食道場と神水
III 朝鮮寺――在日韓国・朝鮮人の巫俗と信仰
一 朝鮮寺と巫俗
二 賽神と七星祭
IV 神々のエコロジー
一 辻子谷
二 宝山寺周辺

寺社分布図
参考文献
あとがき